最近、SNSやニュースで話題になっている「ジャイアントホグウィード」という植物をご存知でしょうか?
海外では以前から知られていたこの植物が、日本でも発見されたとして注目を集めています。
一見すると綺麗な草花に見えますが、実は触っただけで肌に火傷のような症状が出る危険な“光毒性植物”。
「もし自分の近くに生えていたら…?」と心配になる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、以下のポイントで解説します!
- ジャイアントホグウィードとはどんな植物か?
- 日本のどこで確認されているのか?
- 万が一触ってしまったらどうすればいいか?
- 安全に過ごすための知識と対策
環境省などの情報をもとにわかりやすくまとめています。
これからの季節、山や川辺、散歩中などでも出会う可能性があるからこそ、「知っておくこと」が身を守ることにつながります。
知識を得て自分の身を守るためにも、大切な人を守るためにも
ぜひ最後までご覧ください。
ジャイアントホグウィードとは?
🔹 どんな植物?名前の由来と分類

ジャイアントホグウィード(Giant Hogweed)は、セリ科の多年草植物で、学名はHeracleum mantegazzianum(ヘラクレウム・マンテガジアヌム)です。
「ホグウィード(hogweed)」は英語で「豚の草」という意味があり、昔は豚の飼料とされていたことに由来します。
“ジャイアント”の名の通り、非常に大型化する特徴を持ち、ヨーロッパでは観賞用として導入された歴史もあります。
ただし、現在ではその毒性・繁殖力の強さ・駆除の難しさから、多くの国で問題視されている“外来有毒植物”となっています。
🔹 外見の特徴(高さ・葉・花の形など)
ジャイアントホグウィードは、見た目は美しく、見慣れた植物と似ているため注意が必要です。
特に次のような特徴があります:
- 高さ:最大2〜4メートル以上に達する(人の背を超えるほど)
- 葉:幅広でギザギザ、手のひらのように裂けた形状
- 花:6月〜8月頃に白色の小花を大量に咲かせ、傘のように広がる(いわゆる“セリ科の花”)
ぱっと見では、「セリ」「ドクゼリ」「ニンジンの花」などと似ているため、野草や雑草と誤認して触れてしまう事故が起こりやすいとされています。
🔹 海外ではどう扱われている?(北米・ヨーロッパでの位置付け)
ジャイアントホグウィードは、欧米では「侵略的外来種(Invasive Species)」として公式に認定されており、各国で対策が進められています。
- イギリス政府:栽培・移動・販売が法律で禁止されており、見つけた場合は通報・除去が推奨されています
> 🔗 UK Gov: Giant Hogweed - アメリカ(ニューヨーク州):州政府のウェブサイトでは「触ると失明の恐れがある危険植物」として注意喚起
> 🔗 NY Dept of Environmental Conservation - カナダ:公共の土地に広がった場合、除草剤による除去などが義務付けられている自治体もあり
これらの国々では、自然環境への影響や人的被害が深刻であることから、
ジャイアントホグウィードは「積極的に駆除対象とされる有毒植物」という位置付けとなっています。
日本での発見状況と生息地域

海外での話ではなく、この植物は実際に日本で確認されました。
どこで確認されたのかを詳しく解説していきます。
🔹 日本で初確認された場所
「海外の話かと思っていたら、日本でも出たの?」と驚いた方も多いかもしれません。
実は、ジャイアントホグウィードは2025年6月、北海道札幌市にある北海道大学の構内で自生しているのが確認されたとSNSなどで報告され、ニュースにも取り上げられました
北大の構内には、もともと植物研究のために様々な外来種が植えられていた歴史もあり、
今回のホグウィードもその一部が逸出して自然定着したのではないかと見られています。
この報道をきっかけに、「札幌 ホグウィード」「ジャイアントホグウィード 日本」などの検索が急増。
「身近にあったら怖い…」「うちの近所にも生えてるかも?」と不安の声も多く上がりました。
発見場所が北海道のみといって安心は絶対にダメです。
ジャイアントホグウィードは先述した通り、繁殖力が非常に強いのが特徴です。
これからの動向をしっかりチェックすることで自分や周りの身を守ることにつながります。
🔹 国内での広がりや生態系への影響
2025年現在、確認されているのは北海道(特に札幌市周辺)のみですが、
ジャイアントホグウィードは繁殖力が非常に強く、環境条件が合えば広範囲に広がる危険性があります。
特に好むのは以下のような場所です:
- 湿った河岸や川沿い
- 日当たりの良い草原や空き地
- 荒れ地や人の手があまり入らない場所
この植物が広がると、
- 在来植物を駆逐してしまう(日陰に追いやる・種子で密集)
- 大型で視界を遮るため、人の安全や交通にも悪影響
- 樹液による健康被害のリスクが高まる(触れる可能性が増える)
といった、生態系だけでなく人間の生活圏にも影響する植物として注意が必要とされています。
🔹 環境省の見解・外来種リストへの掲載状況
ジャイアントホグウィードは、環境省の「生態系被害防止外来種リスト」において、以下のように分類されています:
- 分類カテゴリ:重点対策外来種候補
- 影響対象:人の健康・生態系の両方に影響
- 備考:海外では強い光毒性・侵略性を持ち、駆除対象とされている植物
つまり、日本国内での報告が少ない段階とはいえ、早い段階での情報共有・対策が強く求められている外来種であることがわかります。
また、地方自治体によっては、住民への注意喚起ポスターや公園整備中の草刈り注意書きなども始まりつつあり、
今後、見かけた場合の通報窓口の整備も進んでいく可能性があります。
「知らなかった」「見たことあるけど気にしてなかった」——
そんな人ほど、この記事をきっかけに一度、“身の回りの草花を少し気にして見てみる”ことが大切かもしれません。
ジャイアントホグウィードに触るとどうなる?

見た目はキレイな草花なのに、うっかり触ると“やけどのような症状”が出ることもある危険植物。
ここでは、光毒性のしくみや、間違いやすい植物との違い、もし触れてしまったときの対応まで、知っておきたいポイントをまとめてお伝えします。
🔸 光毒性ってなに?
ジャイアントホグウィードの樹液には、フラノクマリンという成分が含まれています。
これが肌に付着した状態で日光(紫外線)を浴びると、皮膚に炎症や水ぶくれが起こる──これが「光毒性」と呼ばれる現象です。
海外ではすでに多数の被害例があり、日本でも注意が必要な植物として注目されています。
🔸 触れたときに起きる可能性のある症状
実際に触ってしまうと、以下のような症状が出ることがあります:
- 赤み、ヒリヒリしたかゆみ
- 水ぶくれや炎症
- 数日〜数週間、色素沈着が残ることも
しかも、触れた直後は何もなくても、数時間後に症状が出るケースも多いんです。
🔸 応急処置は?
医療アドバイスはできませんが、一般的な注意点としては以下の通り:
- すぐに石けんと水で洗い流す
- 日光を避けて、肌を覆う
- 異変があれば皮膚科を受診
とにかく、「怪しい草に触ってしまった」と思ったら、早めの対応が大事です。
間違いやすい植物との違いと、注意ポイント

🔸 こんな見た目に注意!
ジャイアントホグウィードは見た目がとても大きくて特徴的。
- 背丈は2~4メートル
- 傘のように広がった白い花(6~8月ごろ)
- 赤紫色の斑点がある太い茎
ただ、ドクゼリやセリ、アシタバなど似た植物も多く、判別が難しいのが困りもの。
見た目だけで判断せず、「知らない草には近づかない」が基本です。
🔸 特に注意したいシーン
- 子どもが草をつかんでしまうとき
- ペットが草むらに入っていくとき
- 夏のレジャーやキャンプ中の草かき分け
身近な公園や河川敷でも、自生している可能性があります。
特に北海道では確認事例が報告されているため、注意が必要です。
予防と相談先について

🔸 触らないためにできること
- 長袖・長ズボンで肌を守る
- 軍手や手袋を使う
- 草花にむやみに触れない
特に小さなお子さんやペット連れの方は、身を守る装備でのお出かけが安心です。
🔸 見つけたらどうする?
自宅の庭や近所の公園で「これ、もしかして…?」と思ったら、自治体の環境課や保健所などへ連絡しましょう。
むやみに自分で処理すると、かえって危険な場合があります。
🔗 環境省「外来種リスト」:https://www.env.go.jp/nature/intro/index.html
🔻 まとめ
ジャイアントホグウィードは、見た目が美しくても「危険植物」であることに変わりありません。
知らずに触れてしまわないように、知識として覚えておくことが何よりの予防になります。
もしSNSで話題を見かけたら、周囲の人にもぜひシェアしてあげてくださいね。
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